「数学が苦手だから文系にしよう」
「理系に進みたいけれど、数学が苦手だから諦めよう」
「工学部や薬学部に行きたいけれど、数学を使わない入試方式を探そう」
このように考えている高校生は少なくありません。
しかし、数学が苦手だからといって、すぐに「自分には数学の才能がない」と考える必要はありません。
数学が苦手になるには、必ず原因があります。
勉強する順番が間違っている。
自分のレベルに合わない問題集を使っている。
解説を読んでも、なぜその解法になるのか理解していない。
復習の方法が間違っている。
こうした小さなズレが積み重なって、「数学が苦手」という状態になっているケースは非常に多いです。
数学は、正しい順番で勉強すれば、偏差値40台からでも十分に伸ばせる科目です。
この記事では、数学が苦手な人がどのように勉強すればよいのかを、参考書の選び方から毎日の勉強法まで詳しく解説します。
数学が苦手になる5つの原因
まず、数学が苦手な人に共通する原因を確認しておきましょう。
① 数学は勉強する量が多い
数学が苦手になる最大の原因の一つが、単純に勉強量が多いことです。
数学は英単語のように、毎日少しずつ覚えれば終わる科目ではありません。
数と式、二次関数、図形と方程式、三角関数、指数・対数、微分積分、ベクトル、数列など、非常に広い範囲を学習する必要があります。
さらに、大学受験では基本問題だけでなく、複数の知識を組み合わせる標準・応用問題まで解けるようにしなければなりません。
そのため、
基礎を理解する
↓
典型問題を覚える
↓
典型問題を使えるようにする
↓
応用問題に挑戦する
↓
過去問で実践する
という段階を踏む必要があります。
数学は一朝一夕で完成する科目ではありません。
だからこそ、早く始めることが重要です。
② 定期テストはできるのに模試では解けない
「学校の定期テストでは80点取れるのに、模試になると30点しか取れない」
このような人も多いでしょう。
これは、必ずしも数学が苦手だからではありません。
普段解いている問題と、模試で出題される問題の難易度が違う可能性があります。
学校の定期テストでは、授業で扱った問題や教科書レベルの問題が中心になることがあります。
一方、模試では、基本事項を組み合わせたり、少し見慣れない形に変えたりした問題が出題されます。
つまり、
「知識はあるけれど、その知識を使う練習が足りない」
という状態です。
この場合、必要なのは「才能」ではありません。
適切な難易度の問題を、十分な量だけ演習することです。
③ 分からない問題を何時間も考え続けてしまう
数学では、
「答えをすぐに見てはいけない」
と言われることがあります。
これは、ある程度数学ができるようになった人にとっては非常に重要な考え方です。
しかし、数学が苦手な人が、解法の知識がほとんどない状態で何十分、何時間も考え続けても、なかなか答えにはたどり着けません。
例えば、
「この問題はどの公式を使えばいいのか」
「そもそも、どこに着目すればいいのか」
が分からない状態では、考えるための材料が足りないからです。
そのため、基礎〜標準レベルの学習では、
少し考える
↓
分からなければ解説を見る
↓
解法を理解する
↓
自分で解き直す
という流れで問題ありません。
重要なのは、答えを見ることではなく、答えを見た後に自分で再現できるようにすることです。
④ 「数学は才能が必要」と思っている
数学が苦手な人ほど、
「自分は数学の才能がない」
と考えてしまいます。
しかし、大学受験数学の多くは、正しい順番で学習すれば対応できます。
もちろん、極めて難しい問題を初見で解くためには、高度な思考力が必要です。
しかし、大学入試で合格点を取るために、すべての問題をひらめきだけで解く必要はありません。
まずは、
典型問題を知る
↓
解法を理解する
↓
自分で再現する
↓
似た問題で使う
という経験を積むことが重要です。
いわゆる「ひらめき」も、何もないところから突然生まれるわけではありません。
これまでに解いてきた問題、考えた経験、失敗した経験、覚えた解法などが頭の中でつながり、初めて「この方法が使えるのではないか」と気付けるようになります。
つまり、数学の思考力は経験の積み重ねによって育てることができます。
⑤ いきなり難しい問題集を使っている
数学が苦手な人に最も多い失敗の一つです。
「難関大学を目指しているから、難しい参考書をやらなければいけない」
と考えて、いきなり青チャートやFocus Gold、難関問題集などに取り組んでしまう人がいます。
しかし、基礎ができていない状態で難しい問題を解いても、
「解説を読む」
「答えを写す」
「次の問題へ進む」
という作業になってしまいます。
これでは数学の力はなかなか伸びません。
自分の現在地に合った参考書から始めることが重要です。
数学は「順番」で伸びる
数学が苦手な人ほど、勉強する順番を意識してください。
おすすめは次の4段階です。
STEP1 基礎
教科書レベルの定義・公式・基本問題を理解する。
↓
STEP2 典型問題
大学受験で頻出する解法を一通り身につける。
↓
STEP3 標準・応用問題
身につけた解法を組み合わせて、初見問題に対応する。
↓
STEP4 過去問
志望大学特有の問題形式・難易度・時間配分に対応する。
いきなりSTEP3から始める必要はありません。
むしろ、数学が苦手な人ほどSTEP1とSTEP2を大切にしてください。
数学が苦手な人におすすめの参考書
数学の参考書は、「一番有名なもの」ではなく、自分の現在のレベルに合っているものを選びましょう。
基礎〜入試基礎を固めたい人
「数学 入門問題精講」
問題数をむやみに増やすのではなく、重要な問題を使いながら基礎事項を確認できます。
解説を読みながら、
「なぜこの公式を使うのか」
「なぜこの解き方になるのか」
を確認してください。
入試の基礎を身につけたい人
「数学 基礎問題精講」
基礎事項を理解した後に、大学受験で必要となる典型問題を身につけるためにおすすめです。
ただし、問題を解いて終わりにしてはいけません。
解法を理解して、自力で再現できる状態まで仕上げましょう。
基礎が完成した理系受験生
「数学Ⅲ・C 重要事項完全習得編」
理系受験生は数学Ⅲ・Cの学習も重要です。
特に微分積分などは、公式を覚えるだけでは対応できません。
基本的な考え方を理解し、典型問題を繰り返し練習していきましょう。
数学が得意になってきたら使いたい参考書
基礎〜標準問題が安定して解けるようになったら、より多くの典型問題を扱える教材に進みます。
代表的なのが、
- 青チャート
- Focus Gold
- スタンダード数学演習
などです。
ただし、すべての問題を完璧にやろうとする必要はありません。
特に網羅系参考書は問題数が多いため、まずは例題を中心に進めることをおすすめします。
毎日の数学の勉強法
数学が苦手な人は、毎日の勉強も次の3ステップに分けてください。
STEP1 まず自分で考える
問題を見たら、まず自分で考えます。
ただし、長時間悩む必要はありません。
最初は5〜10分程度を目安に、
「何を求める問題なのか」
「どの分野の問題なのか」
「使えそうな公式は何か」
を考えましょう。
STEP2 解説を読んで「なぜ?」を考える
分からなければ解説を見ます。
ここで最も重要なのが、解説を丸暗記しないことです。
例えば、
「なぜこの公式を使ったのか?」
「なぜここでこの式変形をしたのか?」
「この解法はどんな問題で使えるのか?」
を考えてください。
さらに、問題を自分の言葉でまとめてみましょう。
例えば、
「この問題は二次関数の最大・最小問題。条件から定義域を整理して、場合分けをするのがポイント。」
というように、一言で説明できるようにします。
この「言語化」が非常に重要です。
STEP3 自力で解けるまで復習する
解説を理解しただけでは、まだ完成ではありません。
一度、何も見ずに解き直してください。
解けなかった場合は、もう一度解説を確認して、再び解きます。
これを繰り返して、
「この問題なら自分で解ける」
という状態まで持っていきましょう
ここまで説明できれば、その問題はかなり深く理解できています。
逆に、答えは合っているのに「なぜそうしたの?」と聞かれて説明できないのであれば、まだ理解が不十分かもしれません。
まとめ|数学が苦手でも、正しい順番なら伸ばせる
数学が苦手だからといって、「自分には才能がない」と決めつける必要はありません。
数学が苦手になる原因の多くは、
- 勉強量が足りない
- 自分のレベルに合わない問題を解いている
- 基礎が固まっていない
- 解説を丸暗記している
- 復習が不足している
- 問題を考えるときの意識が足りない
といった勉強方法にあります。
だからこそ、まずは勉強する順番を見直してください。
基礎
↓
典型問題
↓
標準・応用問題
↓
過去問
という流れで、一段ずつ進んでいきましょう。
そして、毎日の勉強では、
「考える → 理解する → 言語化する → 復習する」
というサイクルを繰り返してください。
数学は、参考書を終わらせた人が勝つのではありません。
一つひとつの問題を「なぜ?」まで理解し、自分で使えるようにした人が強くなる科目です。
今、数学が苦手でも問題ありません。
焦って難しい問題に進むのではなく、自分の現在地に合ったところから始めましょう。
正しい順番で、一つずつ積み重ねていけば、数学は必ず伸ばしていけます。

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